就活写真の撮影が終わると、学生さんからよく言われます。
「めちゃめちゃ撮るんですね!」
実際、当スタジオでは就活写真を30枚以上撮影しています。
「証明写真なのに、どうしてそんなに撮るの?」
そう思われるかもしれません
もちろん、30枚という枚数そのものが目的ではありません。
一枚の就活写真を作るために、なぜ何枚も撮影するのか。
今回は、実際の撮影がどのように進んでいくのかを追いながら、その理由をお話しします。
実際の撮影は、こんなふうに進みます
📷実際の撮影現場より

めちゃめちゃ撮るんですね!



はい、お疲れさまでした
このやり取りは、本当に多くの学生さんと交わす会話です。
実際には30枚以上撮影していますが、お客様は何枚撮ったかは数えていません。
だから皆さん口をそろえて、
「めちゃめちゃ撮るんですね。」
と驚かれます
さっきまで笑っていたのに…
ヘアメイクをしている間は、メイクスタッフと自然に話して、普通に笑っていた学生さん。
ところが、撮影用の椅子に座ってカメラを向けた瞬間、表情が固くなってしまう。
これは珍しいことではありません。
むしろ、ほとんどの学生さんが最初は緊張しています。
さっきまで普通に笑っていたのに、
「写真を撮られる」と思った瞬間、いつもの表情が出なくなるんです。
だから私は、最初から笑顔を求めません。
まずは真顔から
では背筋をしっかり伸ばしてこちら見てください
撮影は、まず真顔から始めます。
真顔が就活写真の正解だからではありません。
カメラの前に座ったばかりの時は、まだ緊張している方がほとんどです。
そんな状態でいきなり「笑ってください」と言っても、なかなか自然な表情にはなりません。
まずは姿勢や顔の向きなどを整えながら、真顔で数枚撮影します。
そして、少しずつ表情を動かしていきます。
じゃあ少し口角上げてみましょう
数枚撮影したら、一度表情を戻します。
一度リセットして深呼吸しましょう
撮って、少し動かして、またリセットする。
これを繰り返しながら、カメラの前で固くなっていた表情を少しずつほぐしていきます。
笑顔ではなくお顔のストレッチ
じゃあ一度思いっきり笑ってみましょう、もっと大きく、もっと笑ってください
ここまで言うと、皆さん少し驚かれます。
「証明写真なのに、そんなに笑うんですか?」
でも、この表情を証明写真として使うわけではありません。
これは笑顔の練習じゃないですよ。お顔のストレッチです。
緊張して固くなっていた顔を、一度思いきり動かしてもらいます。
口元を大きく動かしたり、目をしっかり開いたり。
普段の証明写真ではしないような表情も、撮影の途中ではあえてやってもらいます。
次はお口は普通にして顎を上げずに大きな目を開けて天井を見ましょう
もちろん、この顔を撮りたいわけでもありません。
大きく動かしたあとに力を抜くと、最初にカメラの前へ座った時よりも、目元や口元が自然に動くようになってきます。
そこで、もう一度リセットします。
さあもう一度深呼吸してリラックス
この頃になると、撮影を始めた時とは少し表情が変わっています。
ここから、ようやくその人らしい表情を探していきます。
「あっ、出来てる」と感じる瞬間
撮影を続けていると、ある瞬間があります。
目元や口元も自然に動くようになり、自分でその表情を作れるようになってきます。
私が求めているのは、大きな笑顔ではありません。
そして、撮影を続けていると突然、
「そう、それ!」
と感じる瞬間があります。
その時に声を掛けると、ご本人も
「あっ、これだ!」
と気づかれます。
一度その感覚が分かると、最初の頃とは違います。
目元や口元も自然に動くようになり、自分でその表情を作れるようになってきます。
私が求めているのは、大きな笑顔ではありません。
その人が自分で自分らしい表情ができるようになること。
ここがポイントです
最後の一枚
では最後にもう一枚とって終わりましょう、もう一度リセットして
ここでもう一度、表情をいったん戻してもらいます。
撮影を始めたばかりの頃と同じように、姿勢を整えて、深呼吸。
でも、不思議なことに最初の一枚とはもう違います。
何度も表情を動かして、力を抜いて、また動かしてきたことで、目元や口元が自然に動くようになっています。
カメラにも慣れ、最初にあった緊張もかなり少なくなっています。
そして、この最後の一枚が、結果的に一番その人らしい表情になっていることも少なくありません。
最高の一枚は、最後に生まれることが多い。
だから私は、最初の数枚だけで撮影を終わらせたくないのです。
私が求めているのは笑顔ではありません
ここまで読むと、私が笑顔の就活写真を撮るために、30枚以上撮影しているように思われるかもしれません。
でも、私が求めているのは笑顔ではありません。
撮影前のアンケート。
ヘアメイク中の会話。
話している時の表情や笑い方。
そして、実際にカメラの前に座った時の表情。
撮影前から撮影中まで、私はずっとその方を見ています。
その中で探しているのは、
「この人が一番魅力的に見えるのは、どんな表情だろう?」
ということです。
もちろん、就活の証明写真として表現できる範囲の中で考えます。
明るく親しみやすい表情が似合う方もいれば、
少し落ち着いた表情の方が、その人らしさが伝わる方もいます。
だから、全員を同じ笑顔にすることが目的ではありません。
第1話からお話ししてきたように、就活写真に「この表情なら正解」という一つの答えがあるわけではないと思っています。
大切なのは、
「この写真で、自分の何を伝えたいのか。」
そして、その人自身もまだ気づいていない表情や魅力を、一緒に探していくことです。
30枚撮れば良い写真が撮れる、という意味でもありません。
真顔から始めて、少しずつ表情を動かして、時には思いきり顔を動かして、またリセットする。
その一枚一枚に意味があります。
だから私は、30枚撮ることを目的にしているのではありません。
その人らしい一枚に出会うために、結果として30枚以上撮影しているのです。
就活写真は、ただ顔を写すだけの写真ではありません。
これから会う人へ、自分の第一印象を届ける一枚です。
だからこそ私は、その一枚にたどり着くまでの時間も、大切にしたいと思っています。
| 第1話 | 就活写真は真顔で撮ればいいと思っていませんか? |
|---|---|
| 第2話 | 就活写真で本当に伝えるべき第一印象とは? |
| 第3話 | 「皆はどうしていますか?」と聞く学生が増えた理由 |
| 第4話 | この就活写真で何を伝えたいですか? |
| 第5話 | なぜ就活写真は30枚以上撮影するのか? |
この5話でお伝えしてきた考え方を大切にしながら、
一人ひとりの表情を見つけて就活証明写真を撮影しています。
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